「毎日時間に追われず、優雅に過ごしていそう」「仕事の人間関係のストレスもなくて、うらやましいな…」ワーキングパーソンから見て、専業主婦の生活はそのように映ることがあるかもしれません。しかし、その「うらやましい」というイメージと、実際の生活との間には、大きなギャップが存在します。この記事では、「専業主婦って、実際毎日何してるの?」という素朴な疑問に答えながら、その謎に包まれた1日のリアルな過ごし方と、外からは見えにくい知られざる大変さについて、詳しく解説していきます。
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- 多くの人が専業主婦を「うらやましい」と感じてしまう理由
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- 子どもの有無で変わる!専業主婦のリアルな1日のタイムスケジュール
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- イメージとは違う、専業主婦が抱える3つの大きな大変さ
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- 立場を超えてお互いを理解するために大切な視点
なぜ、専業主婦は「うらやましい」と思われがちなのか?
専業主婦は「仕事のストレスがなさそう」「時間に余裕がありそう」と見られがちです。働いている人からすると、毎日の満員電車での通勤や、職場の複雑な人間関係、仕事のプレッシャーといった悩みから解放されているように思えるため、「うらやましい」と感じるのです。
また、平日の昼間に家にいるという事実から、「家で自由に過ごせる時間が多い」という誤解が生まれやすいのも一因です。家事や育児という、終わりもなければ明確な評価もない「見えない労働」の過酷さを知らない人ほど、専業主婦の生活を楽観的に捉えてしまう傾向があります。
実際のところ、専業主婦は何してるの?一日の過ごし方
- 【子どもがいる場合】息つく暇もないタイムスケジュール
- 【子どもがいない場合】自分の時間だけではない1日
では、専業主婦は実際にどのような1日を送っているのでしょうか。ここでは、子どもの有無別に、典型的なタイムスケジュールをご紹介します。
【子どもがいる場合】息つく暇もないタイムスケジュール
未就学児の子どもがいる専業主婦の1日は、マルチタスクの連続です。自分のペースで動ける時間は、ほとんどありません。
時間 | 主な活動内容 |
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6:00 | 起床、自分の身支度、朝食・弁当の準備 |
7:00 | 子どもを起こし、着替え・朝食の手伝い、夫を送り出す |
8:00 | 洗濯機を回しながら掃除、食器の片付け |
9:00 | 子どもの幼稚園・保育園への送り出し(または公園遊び) |
10:00 | スーパーへ買い物、帰宅後すぐに昼食の準備 |
12:00 | 昼食、片付け |
13:00 | 子どもの昼寝中に、夕食の下ごしらえやアイロンがけ |
15:00 | 子どものお迎え、習い事の送迎 |
17:00 | 夕食の準備、子どもの相手 |
18:00 | 夕食、片付け |
19:00 | 子どもの入浴、自分の入浴 |
21:00 | 子どもの寝かしつけ(一緒に寝落ちすることも…) |
22:00 | 残りの家事、明日の準備、ようやく自分の時間(あれば) |
これに加えて、予防接種の予約や役所の手続き、PTAの活動、親の介護などが不定期に入ってきます。「自由時間」と呼べる時間は、ごくわずかであることが分かります。
【子どもがいない場合】自分の時間だけではない1日
子どもがいない専業主婦の場合、時間に余裕があるように見えますが、家族を支えるための家事に多くの時間を費やしていることに変わりはありません。夫の勤務形態が不規則であれば、それに合わせて生活リズムを調整する必要もあります。
また、子どもがいないからこそ、地域の活動(町内会など)への参加を期待されたり、親の介護を全面的に担ったりするケースも少なくありません。丁寧な暮らしをしようとすれば、掃除や料理にこだわる時間も増えます。決して、一日中好きなことをして過ごしているわけではないのです。
専業主婦が「うらやましい」と思われがちだけど実際は大変なこと
- 365日休みがない「見えない労働」
- 社会からの評価が得られにくい孤独感
- 経済的な自立の難しさとキャリアの断絶
365日休みがない「見えない労働」
会社員には土日祝日や有給休暇がありますが、家事や育児に「休日」という概念はありません。365日、24時間、常に家族の誰かのために頭と体を動かし続けています。特に、子どもが小さいうちは、夜中の授乳や夜泣きで睡眠時間も細切れになりがちです。
体調を崩しても、簡単に休むことはできません。「私がやらなければ、誰もやってくれない」というプレッシャーの中で、常に気を張り詰めているのが実情です。
社会からの評価が得られにくい孤独感
専業主婦の仕事は、どれだけ完璧にこなしても、誰かから給料が支払われたり、昇進したりすることはありません。家族からの「ありがとう」という言葉が唯一の報酬ですが、それさえも日々の積み重ねの中で「やってもらって当たり前」とされ、感謝されにくくなってしまうのが現実です。
また、日中は大人と話す機会が極端に減り、社会から取り残されたような孤独感を抱える人も少なくありません。「自分は社会の役に立っていないのではないか」という不安に苛まれることもあるのです。
経済的な自立の難しさとキャリアの断絶
収入をパートナーに依存する形になるため、経済的な不安を常に抱えている専業主婦もいます。自由に使えるお金が限られていたり、何かを買う時に許可を得なければならないことに、窮屈さを感じることもあるでしょう。
さらに、一度家庭に入ると、社会復帰へのハードルが高くなるという現実もあります。ブランクが長くなるほど、再就職への自信を失い、キャリアが断絶してしまうことに焦りを感じる人も少なくないのです。
まとめ|それぞれの立場で奮闘する互いへの理解を
- 専業主婦は仕事のストレスがない反面、終わりなき家庭内労働を担う
- 「うらやましい」というイメージは多くの場合、実情とは異なる
- 子どもがいる専業主婦の1日はマルチタスクの連続で自分の時間はない
- 家事や育児に休日はなく365日気が抜けない
- 頑張りが評価されにくく社会からの孤独感を抱えやすい
- 経済的な不安やキャリア断絶への焦りも大きなストレス
- 専業主婦には専業主婦の大変さがある
- 働く人には働く人の大変さがある
- 外からは見えにくいそれぞれの苦労や努力が存在する
- 自分のものさしだけで相手の立場を判断するのは危険
- 表面的なイメージで「楽そう」と決めつけないことが大切
- お互いの立場や選択を尊重し理解しようと努める姿勢が必要
- 専業主婦も働く人も社会を支える重要な役割を担っている
- どちらが偉いという話ではなくそれぞれが尊い存在
- 互いへのリスペクトがより良い社会を築く第一歩