退職した前の職場に連絡を取るのは、少し気まずいものですよね。「源泉徴収票が欲しいけれど、どうやって頼めばいいんだろう…」と、連絡をためらっている方も多いのではないでしょうか。源泉徴収票は、年末調整や確定申告に不可欠な重要書類です。この記事では、前の職場へ失礼なく、かつスムーズに源泉徴収票をもらうための、丁寧なメールの書き方を具体的な文例付きで徹底解説します。もう連絡方法で悩む必要はありません。
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- 源泉徴収票がなぜ退職後に必要なのか
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- 前の職場へ失礼なく依頼するメールの基本マナー
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- そのまま使えるシーン別のメール文例3パターン
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- 万が一のための再発行や催促の伝え方
「源泉徴収票」を前の職場からもらう理由と基本ルール・失礼のないもらい方・メールのために

退職後、「源泉徴収票をどうてもらえばいいの?」と戸惑う人は少なくありません。そもそも源泉徴収票とは、あなたがその年にその会社から受け取った給与の総額と、納めた所得税の金額が記載された公的な書類です。特に、年内に転職した場合や、個人で確定申告を行う場合には必ず必要となります。
源泉徴収票が必要になる主なケース
- 新しい職場での年末調整:年内に転職した場合、前職の収入と合算して年末調整を行うために必須です。
- 自分で行う確定申告:年内に再就職しなかった場合や、医療費控除などを受ける場合に必要となります。
- 収入証明として:住宅ローンを組む際や、扶養家族になる手続きなどで、公的な収入証明書として提出を求められることがあります。
ここで知っておくべき重要な基本ルールがあります。それは、会社側には、源泉徴収票を「退職後1か月以内」に発行する法律上の義務があるということです。これは所得税法第二百二十六条で定められているため、あなたが請求すれば、会社は必ず発行しなければなりません。
多くの場合は、退職後最後の給与明細と一緒に郵送されてきますが、もし手元に届いていない場合でも、慌てずに正しい手順で依頼すれば、全く問題なく受け取ることができます。
「源泉徴収票」の前の職場へのもらい方・メールで依頼するときの基本マナー

退職した会社へ源泉徴収票を依頼する場合、電話ではなくメールで行うのが最もスマートで確実な方法です。その理由は、人事部や総務部といった担当部署の業務時間を邪魔しない配慮ができ、さらに「いつ、誰が、何を依頼したか」という記録が文字として残るため、後のトラブルを防ぐことにもつながるからです。
退職したとはいえ、相手はビジネス上の関係者であることに変わりはありません。丁寧なビジネスマナーを心がけ、以下のポイントを押さえたメールを作成しましょう。
依頼メール作成の5つのポイント
- 件名:担当者が一目で内容を把握できるよう、「源泉徴収票の送付依頼(氏名)」のように、用件と自分の名前を明確に記載します。
- 宛先:在職中にお世話になった人事・総務担当者の名前が分かればその方へ。不明な場合は「人事ご担当者様」で問題ありません。
- 本文:まず「お世話になっております」という挨拶と、自分の名前、在籍期間を伝えます。本題は「源泉徴収票を送付してほしい」という依頼内容を簡潔に記載します。
- 送付先情報:郵送してもらうために、あなたの現在の郵便番号、住所、氏名を正確に記載します。
- 署名:最後に、自分の氏名、メールアドレス、電話番号を署名として記載しておきましょう。
退職理由が円満でなかったとしても、依頼メールは感情的にならず、あくまで事務的な手続きとして淡々と、しかし丁寧に作成するのが社会人としてのマナーです。「発行してください」という命令形ではなく、「お送りいただけますでしょうか」といった依頼・謙譲の表現を使いましょう。
【そのまま使える】源泉徴収票を前の職場からスムーズ!正しいもらい方<メール文例集>
ここでは、様々なシチュエーションに合わせて、コピー&ペーストして少し修正するだけで、すぐに使えるメールの文例を3パターンご紹介します。
💌 文例①:一般的な依頼
最も基本的な、源泉徴収票の発行をシンプルにお願いする際の文例です。
件名:源泉徴収票の送付依頼(元〇〇部:山田花子)
株式会社〇〇
人事部 ご担当者様
お世話になっております。
〇年〇月まで〇〇部にて勤務しておりました、山田花子と申します。
退職に際し、源泉徴収票の交付をお願いしたく、ご連絡いたしました。
大変恐縮ですが、下記住所までご郵送いただけますでしょうか。
【送付先】
〒123-4567
東京都〇〇区〇〇1-2-3
山田 花子
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご対応いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
山田 花子(やまだ はなこ)
Email: your_email@example.com
TEL: 090-1234-5678
💌 文例②:転職後・新しい職場へ提出する場合
転職先の年末調整で必要になった場合の文例です。すでに発送済みかもしれない可能性にも触れておくと、より丁寧な印象になります。
件名:源泉徴収票の発行依頼の件(退職者:山田花子)
株式会社〇〇
総務部 ご担当者様
ご無沙汰しております。
〇年〇月まで勤務しておりました、山田花子です。
この度、転職先の企業にて年末調整の手続きを行うにあたり、貴社の源泉徴収票が必要となりました。
つきましては、大変お手数をおかけしますが、源泉徴収票を一部発行いただき、
下記までお送りいただけますようお願い申し上げます。
もし、既に退職日付でご発送いただいているようでしたら、その旨お知らせいただけますと幸いです。
【送付先住所】
〒123-4567
東京都〇〇区〇〇1-2-3
山田 花子
ご多忙の折、誠に恐縮ではございますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
山田 花子(やまだ はなこ)
Email: your_email@example.com
TEL: 090-1234-5678
💌 文例③:再送・催促のケース
依頼してから時間が経っても届かない場合や、紛失してしまった場合に、再度お願いする際の文例です。相手を責めるような表現は避け、あくまで「確認のお願い」というスタンスで連絡しましょう。
件名:【ご確認のお願い】源泉徴収票の送付状況について(山田花子)
株式会社〇〇
人事部 ご担当者様
お世話になっております。
〇年〇月まで勤務しておりました、山田花子です。
先日は、源泉徴収票の発行をご依頼させていただき、誠にありがとうございました。
一点、ご確認させていただきたくご連絡いたしました。
大変恐縮ながら、本日現在、まだ源泉徴収票が手元に届いていない状況です。
もし行き違いになっておりましたら大変申し訳ございません。
お忙しいところ恐れ入りますが、現在の発送状況をご確認いただくことは可能でしょうか。
お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
山田 花子(やまだ はなこ)
Email: your_email@example.com
TEL: 090-1234-5678
まとめ|源泉徴収票の前の職場へのもらい方・丁寧な依頼メールが“信頼される社会人”をつくる
- 源泉徴収票は年末調整や確定申告に必要な重要書類
- 会社には退職後1ヶ月以内に発行する法律上の義務がある
- 依頼方法は記録が残り相手の都合を妨げないメールが最適
- メールの件名は用件と氏名を入れ一目で分かるようにする
- 本文には自分の名前と在籍期間、依頼内容、送付先を簡潔に記載する
- 命令形ではなく「〜していただけますでしょうか」という丁寧な依頼形を心がける
- 一般的な依頼、転職先への提出、再送依頼などシーンに合わせた文例を活用する
- 催促の際は相手を責めずあくまで「確認のお願い」というスタンスで
- 退職した会社も大切なビジネス上の関係者である意識を持つ
- 感情的にならず事務的な手続きとして冷静に対応する
- 丁寧な言葉遣いと感謝の気持ちを忘れないことが重要
- 正しいマナーでの依頼はあなたの社会人としての信頼性を高める
- 慌てず正しい手順を踏めばスムーズに受け取れる
- もし会社が発行を拒否する場合は税務署に相談できる
- 円満なやり取りで気持ちよく次のステップへ進もう

